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Waseda Student Turns Knitting Challenges into an AI-Powered Pattern Design App

Waseda Student Turns Knitting Challenges into an AI-Powered Pattern Design App
「ものづくりは好きなことなので、無限にできます」 創造理工学部 4年 木棚 麗香(きだな・れいか) 西早稲田キャンパス 51号館にて。アプリを用いて作った編み物を持って 中高生の頃、手芸をしている際に生じた不便さから着想を得て、「編み図(※1)作成アプリ」を開発した木棚麗香さん。2026年3月13日、小野記念講堂で行われた 早稲田大学アントレプレナーシップセンター 主催の「第一回WASEDA DEMO-DAY」(以下、デモデイ)では、編み図作成アプリの発表を行い、見事最優秀賞に輝きました。 早稲田大学に入学した頃は、ただ何かを作ることが好きなだけだったという木棚さん。 WASEDAものづくり工房 主催の「 WASEDAものづくりプログラム (※2)」(以下、ものプロ)や「WASEDAものづくりプログラム・ADVANCED」(以下、ものプロアドバンスト)に参加したことがきっかけで、趣味だった手芸やものづくりが、社会的意義を持つものに変わっていったと言います。趣味のように楽しみながら開発に取り組む木棚さんに、これまでの道のりや開発を始めたきっかけ、これからの展望について聞きました。 ※1 編み物を作成するための手順が記された設計図 ※2 早稲田大学と清水建設株式会社との包括連携協定に基づく共同プロジェクト。技術と創意を融合させた“ものづくり”を通じて“社会実装”までを見据えた価値創造に挑戦するプログラム ――どのような経緯でものプロアドバンストやデモデイに参加しましたか? ものプロアドバンストは、3年生の夏に友達に誘われて参加したものプロの応用として続けて参加しました。小さい頃から、何かを作るということが好きだったんです。デモデイは、ものプロアドバンストでの活動の延長として、挑戦してみないかと誘われたことがきっかけでした。 木棚さんが過去に趣味で編んだ編み物の一部 最初に参加したものプロは、理工学術院に所属する学生を対象としたものづくりを促進するプログラムで、参加者がおのおの好きに実体のあるものを制作します。都度、進捗発表やミーティングを行い、参加者同士で交流もして、西早稲田キャンパスの技術職員の方々からアドバイスやレクチャーをいただけます。ここでは、センサマシマシコントローラというセンサを多数積んだコントローラ及びそれを用いるゲームを、友人とともに制作しました。定められた期間内で、実践的な技術指導を受けられることや制作費用がプログラムから出ることがとても良かったです。 写真左:センサマシマシコントローラとものプロで受賞した賞状 写真右:水位センサで画面内の水位が、ジャイロセンサで画面の傾きが変わっている様子 ーーでは、ものプロアドバンストでの活動内容について教えてください。 ものプロアドバンストは、これまでのものプロとは異なり、“社会実装”というテーマがはっきりとしているんです。今まで自己満足で作ってきたものが、“社会に有用であるか”を考える機会が設けられていて。例えば、ユーザーからのフィードバックをもらうなど、他者から評価を受けることがありました。他人の目を介することで、自分では気付かなかった視点を得ることができ、貴重な機会でした。 この活動の中で、編み図作成アプリを開発したんです。ここでは、アプリを使って実際に動くパーツに合わせて編み図を作り、立体のワセダベアを制作しました。 ものプロアドバンストで制作したワセダベアのパーツ 2026年3月に行われたものプロアドバンストの最終成果報告会での一枚。前列の左から3番目が木棚さん ――編み図作成アプリを作ろうと思ったきっかけは何ですか? 行動を起こしたきっかけは、所属する 石井裕之 先生(理工学術院教授)の研究室で、「人類の幸福に資するアプリケーションソフトウェアを開発せよ」という課題が出たことです。この課題に向けて、編み図作成アプリのツール制作を始めました。 発想のきっかけは、趣味の手芸でカメラのケースを編み物で作った時に、カメラの凹凸に合わせて編むことに苦戦して途中で辞めてしまったという経験があったんです。その時、もし編み図があれば諦めずに済んだかもしれないと思い、物をスキャンしてそれに対応する編み図を作ってくれるツールを作ろうと考えました。 石井研究室10周年記念パーティーでの一枚(左から2人目が木棚さん、3人目が石井先生) ――編み図作成アプリについて詳しく教えてください。 編み図作成アプリは、糸を編むかぎ針用で、編みたい物の3Dデータや画像を入力すると、その編み図を作ってくれるwebアプリです。 実際に、立体の編み物を作る時は、ぐるぐると輪っかを描くようにして編んでいきますが、その編み目の数を増やしたり減らしたり変えることによって、いろんな形を作ることができるんです。 ただ、それを自分で自由自在にやるのは本当に難しくて。初級者や中級者は編み図という編む上でのロードマップが必要なんです。 そういった人のために、この編み図作成アプリは、作りたい物の写真などのデータを入力して、その都度最適な編み図を手に入れることができるようになっています。 アプリでスキャンした物体とそれをもとにできた編み物を持つ木棚さん アプリ制作の知識はなかったので、開発する際には生成AIを活用しました。アプリ制作に強い生成AIを使い、自分で考えたアプリの中心となるアルゴリズムを基に、具体的に生成AIに指示を出して、動作に不備があったらそこを指摘して…と何度もトライアンドエラーを重ねて完成させました。学業との両立などで忙しい時期が多かったですが、ものづくりは好きなことなので、無限にできました! ――今後の展望をお願いします。 編み物をはやらせたいです。現段階の編み図作成アプリはまだバグが多く、追加したい機能もあるので、実装するまで課題は山積みですが、このアプリを通じて特に若い世代の層に「これも編み物で作れるの!?」というワクワク感を与えられたら良いな、と思っています。さらにこの先、編む工程まで機械化して、気軽に家で使えるようなものにできないかと考えています。卒業後は大学院に進学する予定ですが、進学後もしばらくは編み図作成アプリの開発に集中したいです。 ものプロアドバンストやデモデイに出てから、自分の中で趣味のような位置付けだったものづくりを、社会的意義と結び付けて捉えられるようになりました。アプリの開発が終わった後も、何かやりたいと思ったときにハードルが高いという理由で踏み出せなかったり、うまくいかなかったりする人が少しでも減るように、新しくツールを開発し、提供していきたいと思っています。 柔らかな笑顔を見せる木棚さん。研究室のある西早稲田キャンパス 59号館の前にて 第926回 取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター 政治経済学部 2年 和田 悠良 【プロフィール】 木棚さんが命を吹き込んだワセダベア 東京都出身。豊島岡女子学園高等学校卒業。余暇の過ごし方は、友達とインディーズのゲームをすることや、小旅行に行くこと。サークルは 理工展連絡会 に所属。お薦めのワセメシは「ひまわり」のアジフライ弁当だそう。生涯ものづくりに関わる仕事に携わっていきたいと、意欲を見せる。
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