“「全身全霊を懸けて、少しでも早く上のステージに上がれるように頑張りたい」 スポーツ科学部 2026年3月卒業 川副 楓馬(かわぞえ・ふうま) 2026年2月、大隈会館にて行われた記者会見にて 2026年1月、大相撲の 安治川部屋 への入門を発表した川副楓馬選手。 早稲田大学相撲部 からは、中途退部者を除けば、1945(昭和20)年に引退した元関脇・笠置山(かさぎやま)以来81年ぶりの力士誕生となります。大学では相撲に打ち込むだけでなく、学業にも力を入れた体育各部の学生を表彰する 早稲田アスリートプログラム の優秀学業成績個人賞を3回受賞するなど、まさに文武両道を体現してきた川副選手に、相撲部での思い出、相撲部以外でのキャンパスライフ、入門後の展望などについて聞きました。 ――相撲を始めたきっかけは何ですか? また、相撲のどんなところに魅力を感じていますか? 小学1年生の時、いとこが出場する相撲大会を見に行ったのがきっかけです。会場で相撲関係者の方に声を掛けていただき、気付いたらまわしをしていました(笑)。そのまま試合に出場し、私の相撲人生が始まったんです。 私が思う相撲の一番の魅力は、勝負が一瞬で決まり、誰が見てもはっきりと勝敗が分かるところです。とてもシンプルな競技・武道ですが、その一瞬の中には、数えきれないほどの攻防や心理戦など、さまざまな要素が凝縮されています。また、体が大きい人が必ずしも強いとは限らず、小柄な力士が大きな相手を豪快に投げる場面があるのも、見ていて胸が熱くなる相撲ならではの魅力です。 写真左:相撲を始めた頃の一枚。右はいとこで現役力士の 花の富士圭太(はなのふじけいた) 写真右:小学生の頃、大会で優勝して父と撮った写真 ――幼少期から相撲で活躍していましたが、早稲田大学スポーツ科学部に進学した理由や、大学で学んだことを教えてください。 大学に進学するのであれば、相撲だけではなく、人としても成長できる場が良いなと思い、早稲田大学を選びました。早稲田のスポーツ科学部では他の競技のトップアスリートたちが学んでいるので、その人たちと授業などを通して関わることで、相撲に限らずスポーツにおける自分の考えや視野を広げることができたと感じています。 大学では主に、スポーツをする上でのメンタルの作り方やコーチングについて学んだ他、 藤田善也 先生(スポーツ科学学術院准教授)のゼミに所属し、卒業論文では自分の相撲の立ち合いについて動画分析をもとに研究しました。自分のコンディションの良いときと悪いときを比較したり、横綱と自身の比較・研究をしたりしたことで、立ち合いの一歩目を踏み出すスピードと体勢の低さ、当たっても体勢を維持して前に出る体幹の強さが重要だということが分かりました。今後はこの分析結果を生かし、少しでも強い立ち合いができるようにしたいです。 写真左:藤田ゼミの仲間たちと。中央奥、両手でピースサインをする川副選手 写真右:3年生の秋学期、 スポーツコーチング理論・実習I(バレーボール) での一枚。レシーブを受けるポーズの川副選手 ――普段の稽古の様子など、相撲部はどのような雰囲気ですか? また、4年間で1番印象に残っているのはどの試合ですか? 普段は、四股(しこ)やすり足などの基礎練習やウェートトレーニングを中心に取り組んでいます。平日は部員主体で稽古を行い、土日は監督と相撲を取って実践的な稽古をします。部員数が少ないこともあり、とても仲が良いです。でも、土俵に立てば先輩後輩関係なく、お互い率直に意見を言い合える関係性を築けていると思います。 2024年8月、相撲部での合宿の様子 印象に残った試合は、2025年6月の「 東日本学生相撲選手権大会 」です。主将として2年目、最高学年で迎えた大会でした。早稲田大学相撲部にはAクラス(※)の力があるメンバーがそろっている一方で、一つ下のBクラスという結果にとどまっていた悔しさがあったので、この試合ではまずAクラスに昇格することを目標に頑張っていました。結果、Aクラスに昇格し、ベスト8入りも果たせたのでうれしかったです。また、全員が良いコンディションで臨めたので、「みんなで勝った」という実感も強く、印象に残っています。 ※ 東日本学生リーグ戦や全日本学生相撲選手権などで、学生相撲界における最高峰の「1部リーグ」に所属するチームのこと 2025年6月の「第104回東日本学生相撲選手権大会」。Bクラス優勝を決めた時の写真で、前列中央が川副選手(左)。同大会での試合の様子で、右が川副選手(右) ――安治川部屋への入門を決めた理由は何ですか? 相撲部の稽古で何度か稽古場に行かせてもらい、親方の下で頑張りたいと思いました。また、部屋の力士の皆さんもとても良い方ばかりで、自身の力を一番発揮できる場所だと感じたので、安治川部屋への入門を決めました。安治川部屋には、2026年の初場所で新大関優勝を果たしたウクライナ出身の 安青錦(あおにしき)関 もいるので、お手本として、早く追い付けるように見習いながら精一杯やっていきたいです。 写真左:2025年4月、安治川部屋へ出稽古に行った時の写真。一番左が川副選手 写真右:2026年2月2日、大隈会館で行われた入門記者会見にて。川副選手と安治川親方(2022年大学院スポーツ科学研究科卒) ――最後に、今後の展望を教えてください。 大相撲の世界に入った以上、厳しいこと、つらいこと、大きな壁に当たることはこれから必ずあると思いますが、自分で決めた進路なので、全身全霊を懸けて少しでも早く上のステージに上がれるように頑張りたいです。自分の強みである押し相撲で、前に前に攻め続け、見ている人が気持ちが良いと思っていただけるような相撲を取っていきたいですね。そして、応援してくれる方々に恩返しができるように感謝の気持ちを持って、稽古に励みたいと思います。 入門記者会見当日、相撲部員全員で大隈講堂前にて。中央上が川副選手 第921回 取材・文:早稲田ウィークリーレポーター( SJC学生スタッフ ) 人間科学部 4年 西村 凜花 【プロフィール】 自身の試合写真パネルに名前を書く川副選手 熊本県出身。文徳高等学校卒業。趣味は映画鑑賞で、好きな作品はジャッキー・チェン主演の『香港国際警察』。テレビを見ることも好きで、お笑いコンビの千鳥が出演する番組はよく見ているのだとか。好きなワセメシは東伏見キャンパス近くにある 「 成田屋 」 のカツカレー。
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